家を建てるとなると、多くの方はまずデザインを思い浮かべるでしょう。
しかし家づくりではデザインという見える部分と同じくらい、見えない部分である家の構造も重要です。特に地震大国である日本では、耐震性の高い構造をもった住宅を選んでいただきたい。そんな想いをこめて、住宅の構造についてご説明します。

住宅の構造・工法のタイプ

Type1.木造

日本の住宅の半分以上は「木造住宅」だと言われるほど日本の風土に最適な工法で、文字通り、木材を構造体として用いている住宅のことです。自然素材である木材を使用することで、ぬくもりが感じられる家になります。

Type2.鉄骨造

鉄骨造には、「軽量鉄骨造」と「重量鉄骨造」という2つの構造がありますが、どちらも鉄によって家の強度を高める工法です。住宅の一部を店舗にしたいという場合は、木造住宅よりも鉄骨造のほうが、耐震性能の面で安心です。

Type3.鉄筋コンクリート造

鉄筋コンクリート造は、鉄筋をコンクリートで覆うことによって構造体をつくる工法です。コンクリートを組み合わせることによって、鉄骨造よりも耐久性と気密性が高まりますが、それだけコストが上がるので注意が必要です。

工法ごとの特徴比較

次に、3つの工法の特徴を比較してみましょう。当然それぞれの工法にメリット・デメリットがあります。それぞれのメリット・デメリットをしっかりと理解した上で、理想とする家づくりにはどの工法が適しているのか選択していくことが大切です。

2022年現在、ウッドショックや原油の高騰により、坪単価が20~30万円程度上昇しています。

木造(軸組工法)

2×4工法(ツーバイフォー工法)は、「木造枠組壁工法」とも呼ばれます。欧米の木造住宅では標準的に採用されています。壁や床(面材)で家を支えるのが構造的な特徴です。
【設計】自由度が高い
【メリット】日本風土に合っている
【デメリット】耐火性が低い・耐震等に配慮必要
【価格帯(坪単価)】工務店:約60万~90万円/HM:約80万~120万円

木造(2×4工法)

軸組工法とは、日本で古くから用いられている伝統工法を引き継いだもので「在来工法」とも呼ばれます。構造的な特徴は、柱や梁といった軸組(線材)で家を支える点です。
【設計】多少の制約がある
【メリット】優れた耐久性・耐火性・工期が短め
【デメリット】結露をおこしやすい・増改築しにくい
【価格帯(坪単価)】工務店:約60万~90万円/HM:約80万~120万円

鉄骨造

【設計】自由度が高い
【メリット】優れた耐震性・耐久性
【デメリット】結露をおこしやすい・工期が長い・耐火性が低い・コストがかかる
【価格帯(坪単価)HM:約100万~130万円

鉄筋コンクリート造(RC造)

【設計】自由度が高い
【メリット】優れた耐久性・耐火性・防音性
【デメリット】工期が長い・コストがかかる・防水・断熱処理必須
【価格帯(坪単価)】ゼネコン:約100万円~

木造住宅の耐震性能が低いというのは誤解です

「木造住宅=地震に弱い」と思いがちですが、これは「阪神・淡路大震災」の際に古い耐震基準で建築された木造住宅の多くが倒壊したためついたイメージと言われています。倒壊した家の特徴として、家の老朽化や、接合部分の問題、重い瓦屋根の荷重などが挙げられます。
大切なのは、許容応力度計算による構造計算で耐震強度を確認する事です。更に「耐震等級3」は必須条件です。

現在では、最新の耐震基準をクリアした木造住宅が建てられており、性能表示制度に基づき、その耐震性能を表示している住宅会社も多くあります。また、木造構造の弱点を改善し、従来型を遙かに凌駕する耐震性を持たせた木造住宅なども次々に登場していますので、イメージで決めつけずぞれぞれの工法の特徴をしっかり理解し、家づくりを行いたいですね。

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コラムニスト:広島の家づくり相談窓口eLOHA(イロハ)八塚 年哉

●1985年 広島の設計事務所に入社
●2002年 大手HM、地域ビルダーにて、住宅の設計・営業・現場管理に従事
●2021年 家づくりの相談窓口eLOHAにて、家づくりのサポート
※現在も現役の設計士として地域ビルダーに在籍中
●eLOHAでは、「家づくり個別相談会」「家づくり勉強会」「間取り作成」の3つのサービスすべて無料でご提供しております。